【操作方法】
■ 数値積分
本アプリでは，台形公式を用いた数値積分により，加速度データから速度データ，及び速度データから位置データを求める．
例として，加速度データを読み込み「分析に使用する時間領域の設定」を行った後，下図のように成分ごとの加速度グラフが得られたとする（放物運動の加速度の$x$,$y$,$z$成分）．グラフのすぐ上の「▶ 加速度データ」をクリックすると，指定した時間領域の加速度データのテーブルが表示される（もう一度クリックするとテーブルが閉じる）．
加速度$\vec{\bm{a}}$から速度$\vec{\bm{v}}$を求める式は $$\vec{\bm{v}}(t)=\int_{t_0}^{t}\!\vec{\bm{a}}\,dt+\vec{\bm{v}}_0$$ であるので，数値積分を実行する前に初期速度$\vec{\bm{v}}_0$（時刻 $t=t_0$ のときの速度 $\vec{\bm{v}}(t_0)$ ）を設定する必要がある．
加速度データの平滑化（フーリエ変換による平滑化，最小二乗近似による平滑化）を実行した場合，数値積分する加速度データとして「元のデータ」「平滑化データ」「差分データ」のいずれかから選択できる．
初期速度の設定欄では，分析に使用する時間領域で設定した開始時刻での初期速度 $\vec{\bm{v}}(t_0)$ を成分ごとに入力する．一般に，初期速度の値が既に得られていることは少ないので，静止状態から測定を開始して，初期速度をゼロに設定すればよい（デフォルトで 0.0 が入力されている）．
初期速度の設定後，「速度の計算（数値積分）」ボタンを押すと，分析に使用する時間領域において，加速度データを数値積分して速度データを求め，下図のように速度のグラフを成分ごとに表示する．グラフのすぐ上の「▶ 速度データ」をクリックすると，数値積分で得られた速度データのテーブルが表示される（もう一度クリックするとテーブルが閉じる）．
速度$\vec{\bm{v}}$から位置$\vec{\bm{r}}$を求める式は $$\vec{\bm{r}}(t)=\int_{t_0}^{t}\!\vec{\bm{v}}\,dt+\vec{\bm{r}}_0$$ であるので，数値積分を実行する前に初期位置$\vec{\bm{r}}_0$（時刻 $t=t_0$ のときの位置 $\vec{\bm{r}}(t_0)$ ）を設定する必要がある．
速度データの平滑化（フーリエ変換による平滑化，最小二乗近似による平滑化）を実行した場合，数値積分する速度データとして「元のデータ」「平滑化データ」「差分データ」のいずれかから選択できる．
初期位置の設定欄では，分析に使用する時間領域で設定した開始時刻での初期位置 $\vec{\bm{r}}(t_0)$ を成分ごとに入力する（デフォルトでは 0.0 が入力されており，開始時刻での位置が原点となる）．図では，放物運動でスマートフォンを投げた瞬間（時刻3.37秒）での位置が原点となるように初期位置を設定している．
初期位置の設定後，「位置の計算（数値積分）」ボタンを押すと，分析に使用する時間領域において，速度データを数値積分して位置データを求め，下図のように位置のグラフを成分ごとに表示する．グラフのすぐ上の「▶ 位置データ」をクリックすると，数値積分で得られた位置データのテーブルが表示される（もう一度クリックするとテーブルが閉じる）．
数値積分により位置データまで得られれば，加速度・速度・位置のデータ出力に進む．複数成分を分析（加速度列の選択で複数の列を選択）している場合，データ出力に進むと複数の成分を重ねてプロットした加速度・速度・位置のグラフが得られる．