Ubuntu Server 24.04 LTS のインストール
PCに Ubuntu Server 24.04 LTS をインストールし,各種設定の手順を記した備忘録
はじめに
実機PCに Ubuntu Server 24.04.2 LTS をUSBメモリからインストールし,日本語環境やデスクトップ環境 (Ubuntu Desktop) を導入する.
PCのスペック:
- CPU: AMD Ryzen 5950X 16Core/32Threads
- Memory: DDR4 32GB
- SSD: 1TB
- GPU: NVIDIA RTX 3080Ti 12GB
インストールメディア(USBメモリ)の準備
- Ubuntuの公式ダウンロードページから Ubuntu Server 24.04.2 LTS の ISO ファイルをダウンロードする.
- ISOファイルをUSBメモリに書き込む.
Windows でインストールメディアを作成する場合は,Rufus(起動可能なUSBドライブを作成するWindowsアプリ)などを使用すればよい(Mac や Linux の場合は,ddコマンドで書き込む).
OSのインストール
作成したUSBインストールメディアをインストール先のPCへ差し込んで起動し,BIOS画面でUSBメディアが優先的にブートされるように変更し,インストーラーを起動する.
インストーラーが起動したら,Install Ubuntu Server を選択して,以下の設定を順番に行っていく.
- 言語:English(日本語はない)
- キーボードレイアウト:Japanese
- インストールタイプ:Ubuntu Server
-
ネットワーク設定 設定しない場合やDHCPの場合,特に何もせずに進む.
固定IPに設定する場合
ネットワーク名(enp3s0など)を選択し,「Edit IPv4」でIPv4の設定に進む.
IPv4 Method で Manual を選び,以下を設定する.
Subnet: ###.###.###.0/24 (←サブネットマスクが 255.255.255.0 の場合)
Address: ###.###.###.###
Gateway: ###.###.###.###
Name servers: ###.###.###.###, ###.###.###.### (複数の場合はコンマで区切る)
Search domains: (特になければ空欄のまま) - Proxy設定:(特になければ空欄のまま)
- ミラーサイト設定:デフォルトのまま(ネットワークにつながっていればデフォルトのミラーサイトが選択される)
- ディクス設定:Use an entire disk(ディスク全体を使って,自動でパーティションを設定)
パーティション設定する場合は Custom storage layout を選択 - ユーザ設定
Your name: ユーザ表示名(設定不要)
Your servers name: サーバーのホスト名
Pick a username: ユーザ名
Choose a password: ユーザのパスワード
Confirm your password: パスワードの確認 - Ubuntu Pro へのアップデート:Skip for now(スキップする)
- OpenSSH設定:Install OpenSSH server(OpenSSHをインストール)
Import SSH key (既存のSSH秘密鍵をインポートする必要がなければ特に何もしない) - Featured server snaps (パッケージンのインストール)
後から個別にインストールできるので何もしなくてよい.
上記設定後,インストールが始まる.インストールが済んで,再起動すると Ubuntu Server が起動する(USBメモリを抜いておく).
初期設定
パッケージの更新
sudo apt update
sudo apt upgrade -y
タイムゾーンの設定
sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
sudoパスワード入力の省略設定(必要に応じて)
次のコマンドで,設定ファイル /etc/sudoers
を編集する.
sudo visudo
/etc/sudoers
の変更箇所
-%sudo ALL=(ALL:ALL) ALL
+%sudo ALL=(ALL:ALL) NOPASSWD:ALL
rootユーザを有効にする
以下のコマンドでrootになれる.
$ sudo -s
[sudo] password for ubuntu:(sudoパスワード省略設定していれば表示されない)
または,rootパスワードを設定することで,su コマンドによる切り替えが可能
$ sudo passwd root
[sudo] password for ubuntu:(sudoパスワード省略設定していれば表示されない)
New password:(rootのパスワード)
Retype new password:(確認再入力)
passwd: password updated successfully
$ su -
Password:(rootのパスワード)
rootに切り替わる.
論理ボリュームサイズを100%に拡張する
buntuでデフォルトのインストールした場合,論理ボリュームが100%ではない(ストレージいっぱいまで使われてない)ので,拡張して100%にする.
インストールしたPCのSSDの容量は1TBであるが,df コマンドの出力では,/dev/mapper/ubuntu–vg-ubuntu–lv のサイズが 98G しかない.
論理ボリュームの拡張
$ sudo lvextend -l +100%FREE /dev/ubuntu-vg/ubuntu-lv
Size of logical volume ubuntu-vg/ubuntu-lv changed from 100.00 GiB (25600 extents) to <928.46 GiB (237685 extents).
Logical volume ubuntu-vg/ubuntu-lv successfully resized.
ファイルシステムの拡張(ファイルシステムに反映させる)
$ sudo resize2fs /dev/ubuntu-vg/ubuntu-lv
resize2fs 1.47.0 (5-Feb-2023)
Filesystem at /dev/ubuntu-vg/ubuntu-lv is mounted on /; on-line resizing required
old_desc_blocks = 13, new_desc_blocks = 117
The filesystem on /dev/ubuntu-vg/ubuntu-lv is now 243389440 (4k) blocks long.
日本語環境
日本語パッケージのインストール
sudo apt -y install language-pack-ja-base language-pack-ja
ロケールを日本語に設定
sudo localectl set-locale LANG=ja_JP.UTF-8 LANGUAGE="ja_JP:ja"
デスクトップ環境
Ubuntu Desktopのインストール
sudo apt -y ubuntu-desktop task-gnome-desktop
systemd-networkd-wait-online.serviceの停止
Ubuntu Desktop環境をインストールすると,サーバ起動時に「Starting Wait for Network to be Configured…」というメッセージが出力され,systemd-networkd-wait-online.serviceで2分ほど待機させられるので,このサービスを停止する.
(※ケーブルを刺していないLANポートでのネットワークへの接続確立まで待機しようとする.)
GUI環境を構築するとNetworkManagerがデフォルトのネットワークマネージャーになるので,停止してもおそらく問題ないと思われる.
sudo systemctl disable --now systemd-networkd-wait-online.service
ファイヤーウォール設定
状態の確認
$ sudo ufw status
状態: 非アクティブ
Ubuntuインストール直後はファイヤーウォールが非アクティブ(無効)になっているので,アクティブ(有効)化する.
sudo ufw enable
デフォルトではすべての通信を拒否するように設定する.
sudo ufw default DENY
SSH(ポート番号:22)を許可する(ルールの追加).
sudo ufw allow 22
もしくは
sudo ufw allow ssh
ポート番号でなくサービス名で指定すると,/etc/services
に書かれたサービス名に対応したポート番号が指定される.
sshに対して接続頻度を制限する(執拗に接続してくるアクセスの拒否)場合は以下のように設定する.
sudo ufw limit ssh
設定後,ファイヤーウォールの再読み込みを行う.
sudo ufw reload
ファイヤーウォールを無効化する場合は以下を実行する.
sudo ufw disable
その他
Python3 の導入
Pythonでの開発環境を導入する(Ubuntu Server 24.04.2 LTS を導入すると,Python3.12.3 が既にインストールされている). 仮想環境管理 venv,パッケージ管理 pip,開発ツール dev のインストール
sudo apt -y install python3-venv python3-pip python3-dev
Docker の導入
https://get.docker.com で配布されているDockerインストール用shellスクリプト(OSを判断してそのOSに合った手順でインストール)を実行する.
参照:Install using the convenience script
curl https://get.docker.com | sudo sh
Docker グループへユーザを追加
sudo usermod -aG docker ユーザ名
追加したユーザは再度ログイン後,dockerコマンドが実行できるようになる.
システムの再起動
sudo reboot
もしくは
sudo shutdown -r now
システムのシャットダウン
sudo poweroff
もしくは
sudo shutdown -h now